看護師が「施設看護師」を選ぶとき、メリットとデメリットを知っておくと安心です。
施設看護師と言われても、はじめてのことならわかりにくいからです。
一般的に看護師は病院で働く場合がほとんど。ですが実は高齢化社会の今、施設看護師の需要が高まっているのです。
今回は、施設看護師として働いている私が、看護師が施設看護師として働く役割やメリットとデメリットを解説します。
メリットとデメリットを理解し、転職や就職の参考にしましょう。
介護施設内における看護師の役割とは？利用者のサポート
介護施設内で看護師は介護をほとんど行いません。
というのも施設看護師は健康面でのサポートをするのが求められるからです。
医療従事者としての立場である施設看護師は、施設の利用者が思わぬケガや病気をした場合の手当や処置・健康管理を行います。
体調の急変時は看護師が応急処置をし、医師や救急隊員への引き継ぎも担います。
ただ施設によって人手不足の場合、介護士の手伝いをすることもあるので転職を検討している場合は、確認しておくことが大切です。
看護師が施設看護師として働くメリット
施設看護師として働くメリットは以下の通りです。
- 需要と将来性がある
- 体力的な負担が少ない
- 夜勤や残業が少なく定時であがれる
- 介護スキルが身につく
それぞれくわしく解説してきます。
需要と将来性がある
施設看護師には需要と将来性があります。というのも高齢化社会がこれからも続くからです。
政府はたびたび少子化社会対策を行ってきました。（参考：内閣府少子化対策の歩み）
とはいえ少子化に歯止めはかかっていません。今後ますます施設看護師の需要は高まるばかりでしょう。
体力的な負担が少ない
施設看護師の体力的負担は少ないです。施設看護師の仕事は以下の内容だからです。
- 入所者や利用者の健康管理やバイタル測定
- 必要に応じた処置（軟膏塗布・点眼・服薬の管理など）
- 主治医の指示による点滴や注射
病院に勤務する看護師に比べて、仕事上体力を使う負担はほとんどありません。
夜勤や残業が少なく定時であがれる
施設看護師は夜勤や残業をほとんどしません。入所者や利用者の健康管理が施設看護師の仕事だからです。
職場によって時差出勤を行っている場合もありますが、早朝や夜間に看護する機会がほとんどないため、定時であがれます。
結婚や出産・子育てでブランクのある看護師で活躍の場を見いだした方も多いですよ。
介護スキルが身につく
施設看護師は介護スキルが身につきます。というのも施設にはさまざまな入所者や利用者がいるからです。
たとえば認知症・寝たきりの方の介護を介護士と一緒にする場合もあります。
施設看護師をしている方は、介護のノウハウやテクニックを身につけられるので、病院へ転職する際には有利になるでしょう。
看護師が施設看護師として働くデメリット
さまざまなメリットがある施設看護師。しかし施設看護師ならではのデメリットもあります。
看護師としての医療的スキルアップが少ない
利用者や入所者の健康管理が施設看護師の仕事。病院のような医療行為がほとんどないため医療的なスキルアップは見込めません。
医療や看護の勉強会や研修が病院に比べるととても少ないのが現状です。
とはいえメリットでも触れましたが、看護師のキャリアに介護のノウハウやテクニックがプラスされるのは魅力的です。
職場内の人間関係がむずかしい場合もある
職場によってさまざまな事情もありますが、人間関係で悩みを抱えることもあります。
というのも介護現場では、介護士・看護師の役割がはっきりしていない場合もあるからです。
たとえば人手不足があったとしましょう。本来なら介護士が担う仕事を看護師が代行する場合もあります。
お互いがプロ意識を持っている仕事ですから、どうしても不満がでてきてしまうのです。
医療所見を求められる場合がある
現場によって医師が常駐していないケースもあるのが介護施設です。
利用者や入所者がケガをしてしまったり病気になってしまったりすることもあります。
軽い症状だけとは限らず、思わぬ事態になることも……。医師の到着を待つか救急車を呼ぶか、対応をせまられてしまうのが施設看護師なのです。
時に大きな責任をともなうことがあるため、重荷に感じて不安になる可能性があります。
施設看護師の悩み
介護施設では介護士が多くの業務を担います。施設によって差はあるものの施設に看護師は1人だけというケースも多くあるのが現状です。
施設看護師の主な仕事は利用者や入所者の健康管理。バイタルチェックや服薬管理、症状に対するケアを行います。
病院ならば医療ベースで考え行動することが多いため、たとえ気の合わない人がいても別な同僚や先輩に話を聞いてもらえる利点があります。
しかし介護現場での看護師は少人数。介護を担う人と健康を管理する看護師との意見のすれ違いなど、人間関係での悩みでストレスを感じてしまいます。
人間関係で悩みを抱えてしまってはつらくなってしまいますよね。深い悩みになる前に誰かに相談することが大切です。
施設看護師はやりがいのある仕事：まとめ
施設看護師は入居者や利用者の健康面をサポートします。職場では頼りにされ、利用者や入居者からは安心できると喜んでもらえるやりがいのある仕事です。
看護師が施設看護師として働くメリットは以下の通りです。
- 需要と将来性がある
- 体力的な負担が少ない
- 夜勤や残業が少なく定時であがれる
- 介護スキルが身につく
病院勤務の看護師と比べ負担が少ない施設看護師。少子高齢化の今だから施設看護師のニーズは高まるばかりです。これから転職や再就職を考えるなら、施設看護師を選択として検討するのもひとつの方法です。
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